映画レビュー「インビクタス/負けざる者たち」

INVICTUS
インビクタス/負けざる者たち

INVICTUS インビクタス 負けざる者たち

対立し合う人種。混じり合わない色。
アパルトヘイトの人種差別が残る南アフリカを舞台に、
紳士的にして戦闘的なスポーツ「ラグビー」が、
人々をひとつにしていく。

スポ根モノやマンデラ大統領の英雄譚ではない。

対立の壁をなくし、人々がひとつに結びつくすばらしさを描いた作品だ。

映画では、
人々が結びつく課程を
日常のヒトコマとして、
さりげなく描きだしている。

黒人家政婦が働く白人家庭。
黒人と白人がチームを組むボディーガード。
黒人の子どもが疎まれる白人社会。

最初は対立があり、なじみ合わなかった関係が、
ラグビーチームの活躍を共に応援するなかで、
しだいに心を通い合わせていく。

それらの課程は、
思いやるまなざし、言葉、助け合う行動で描かれる。

さりげないヒトコマゆえに、
心に染み込んでくる。

ひとつになる喜び、すばらしさを
やさしく語りかけてくれるのだ。

そして、
人々をひとつにするのは、スポーツだけではない。

決勝前のスタジアムで起こる、ちょっとした出来事。
それを見た南アフリカの観客が、
一瞬にしてひとつに結びつき、ボルテージが沸騰する。
これには鳥肌ものの興奮を憶えた。

きっかけは何でもいい。

ひとつのものにみんなが気持ちを注ぐとき、
人々はひとつになれるのだ。

ちなみに、
ラグビーでは試合終了のことを「ノーサイド」と呼ぶ。
戦いが終われば、両チームの「サイド」は無くなり、
みな同じ仲間だという精神に由来する言葉だ。

まさに
南アフリカの「ノーサイド」を描いた映画といえるだろ。

ただ、残念なことに、
アパルトヘイトの傷跡はいまだ、南アフリカに根深く残っている。

追記: 物足りなかった点

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